水害時のマンションエレベーター設備についてのお話しです。

洪水、ゲリラ豪雨、横なぐりの雨
近年頻繁にニュースとなり、多くの被害が発生しています。

いつ自分がその被害を受ける立場になるか、わからないくらい切実な問題です。

そんな大雨の時、エレベーターは大丈夫なのでしょうか?

マンションで、エレベーターが長期間使えなくなったら、と考えただけでも ゾッとします。

エレベーターは、電気機器であり精密機械です。

カゴと制御盤をつなぐコードは、電気の通り道です。

そのコードや昇降路内の電線は絶縁処理が施されていますが、許容量を越えた場合は、ショートすることもあり得るのです。

エレベーターの昇降路の地面が水没した場合は、復旧は超が付くほど困難な状況となります。

まず浸入した水を、全部ポンプで抜き取らなければなりません。
排水ポンプは設置されていません。

この排水作業が簡単ではありません。油が混じっているので下水道には流せないからです。

水を全部抜き取った後、ブロワーやドライヤーを使い、水気を完全に取り去ります。完全にです。

そうしないと絶縁回路のチェックができません。

中途半端な作業では、漏電に関する厳しい基準をクリアできません。

クリアできなければ、エレベーターは稼働できません。

結局復旧できず、エレベーターを総取り替えするケースが、毎年のように発生しています。

この事態を防ぐには、最上階でエレベーターを止めて、電源を切り、一時的に使えないようにすることですが、

言うは易く行うは難し ですね。

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