
排水管改修工事のポイント(第1回)についてお話したいと思います。
(1)施工計画はタテ系統ごと
排水管改修工事は、給水管改修工事とは違い仮設配管を組んで居住者負担の軽減を図ることが出来ません。
基本現在の排水配管が設置されている箇所に新しい配管を設置します。
工事はタテ系統ごとに実施し、完了させていきます。(一部建築付帯工事(内装の復旧等)が残るケースはありますが排水管工事自体は完了させます。)
(2)排水行為禁止時間を短くする工夫
排水禁止に該当した住戸は、通常午前9時から午後5時まで一切の水が流せません。
トイレは敷地内に設けられた仮設トイレを利用することになります。
施工業者によっては、ご高齢等で仮設トイレの利用が難しい場合には、簡易トイレを準備することがあります。(有償ないし無償にて)
翌日も作業が継続する場合でも、一日の作業が終わった時点で浴槽以外の水は流せるようにするのが通常です。
(3)専有部工事は、作業別班編成で、効率よく
専有部工事は、共用部分と違い作業員を多く入れれば効率が上がるというものではありません。
専有部の限られたスペースで、何人もの作業員が支障なく作業ができるスペースなど水回り設備のところにはないのが通常です。
役割分担された作業員の連携が、作業効率を高めます。
また、工事には物件特性が付き物です。
経験値の高い作業員でも、専有部の1件目ではそれなりに時間がかかるのです。
そして、2件目、3件目と件数をこなすことによって、作業時間も短い、仕上りも確実なものとなっていきます。
ですがら、作業者の顔ぶれがいつも違うような施工会社であった場合は要注意です。
(4)排水禁止の場合、事前説明会の開催、案内ビラの配布を徹底
排水管改修工事は、工事着手前に全体の説明会が開催されます。
そこでは、施工業者から工事に関する様々なお願いや注意事項の話があるはずです。
排水管改修工事が他の管理組合工事と大きく異なる所は、作業のほとんどが専有部内であるということです。
つまり、居住者にとっては、自分の部屋の中の工事がいつ、どのように行われどんな協力をしなければいけないのか、という事だけが関心事です。
色々な事を説明されても記憶に残りません。
常日頃仕事として工事の説明を行っている施工担当者が流暢に工程を説明しても記憶に残りません。
だから、繰り返し繰り返し説明、案内が必要となるのです。
(5)専有部工事は数日にわたるが、この場合もトイレは毎日復旧させる。
翌日も作業が継続する場合でも、一日の作業が終わった時点で浴槽以外の水は流せるようにするのが通常です。